長くヨーロッパで活躍し、日本代表にも定着している酒井宏樹選手は、2021年に浦和レッズに移籍しました。
世界トップレベルでも通用する選手をJリーグで見れることは、とても幸せなことだと思います。
今回はそんな酒井宏樹選手を紹介します。
名前:酒井宏樹(さかいひろき)
生年月日:1990年4月12日
出身地:千葉県
身長:185㎝
体重:78㎏
ポジション:右サイドバック
目を引くのは、そのサイズです。
サイドバックで185㎝というのは、世界的に見ても大きい部類に入ります。
長友佑都選手、内田篤人さんといった近年の日本を代表するサイドバックは、小柄、または細身ながらスピードと運動量で勝負するタイプが多いです。
しかし、酒井宏樹選手は180㎝を超えるサイズとそのフィジカルが世界に通用する日本には珍しいタイプのサイドバックです。
敵の左サイドというのは、ドリブラーやテクニシャンなど、敵のエースがつとめることが多いです。
なので、酒井宏樹選手にはそのエースを止めなければなりません。
実際にフランスのマルセイユ時代には、ネイマールやエンバペといった世界最高級の選手と対峙し、彼らを止めています。
酒井宏樹選手は、1対1でその実力を世界に証明してきた選手なのです。
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ブラジル代表のネイマール選手から完全にボールを奪い切っています。
そして、酒井宏樹選手の守備にイラついたネイマール選手にはイエローカード。
酒井宏樹選手の完全勝利の瞬間です。
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酒井宏樹選手の守備。
相手のスピードに抜かれそうになりますが、腰をぶつけて止めています。
他の選手なら、あの形は抜かれるところですが、酒井宏樹選手の腰の強さが際立った場面ですね。
酒井宏樹選手は、基本右サイドバックが定位置ですが、体の大きさや身体能力からセンターバックもこなせます。
例えば、日本代表が4バックから3バックに以降する場合、酒井宏樹選手がいれば、交代枠を使うことなく、3バックに変えることができます。
また、サイドバックはカウンターを受けた時などに、中央のポジションをとって、センターバック的にふるまわなければならない場合があります。
その時に、酒井宏樹選手だとしっかりとそのカバーをすることができます。
日本代表で言えば、左サイドバックの長友選手の場合は身長が170㎝と小柄なので、センターバックのカバーに入った時に、空中戦での守備が不安定になります。
そこを敵に狙われることもあります。
それと比較すると、センターバックと同じような役割をこなせる酒井宏樹選手は、敵チームから見るとスキを作らない厄介な選手と言えるのです。
酒井宏樹選手はオーバーエージで東京オリンピックに参加しました。
オーバーエージでの選出は、吉田麻耶選手、遠藤航選手は確実に選ばれ、三人目は酒井宏樹選手か大迫勇也選手のどっちかだろう、と言われていました。
大迫選手はフォワードの軸として、得点力はもちろん、得意のポストプレーで他の選手を活かす期待がありました。
もし、大迫選手を選んでいれば、もしかしたら得点力が上がって、東京オリンピックでメダルを取れたかもしれません。
しかし、これはタラればで、実際には起こることではないので、わかりません。
個人的には酒井宏樹選手が選ばれて良かったと思います。
なぜなら、守備が安定したことによって、日本は勝ち進めたと思うからです。
3位決定戦のメキシコ戦を除くと、5試合で2失点ですし、右サイドの守備が強かったことで、同じ右サイドのウイングを務めた久保選手や堂安といった選手が攻撃に専念できたからです。
酒井宏樹選手は攻守に渡り、チームに貢献したのです。
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何気ないプレーですが、普通は相手にキープされて起点を作られそうな場面。
ここで、酒井宏樹選手は体の強さとサイズを活かして、足を出して止めています。
こういったプレーができるとチームとしても助かりますし、右サイドの攻撃の選手も、守備に戻る負担が減ります。

サイドバックはその前のウイングとの組み合わせによって、攻撃スタイルが変わります。
今は伊藤純也選手が右サイドに張っていますが、実はこれだと酒井宏樹選手の持ち味である長い距離の外を走ってクロス、というパターンが活きません。
酒井宏樹選手が使いたいサイドライン付近のスペースが伊藤純也選手の得意スペースとかぶっているからです。
伊藤選手がライン際でボールを持ち、その後ろで酒井選手が停滞している、というもったいない場面をよく見ます。
では、どの選手との組み合わせが良いのでしょうか。
それはズバリ、久保建英、または堂安律選手です。
彼らは左利きのテクニシャンで、中へ中へとボールを運びます。
また、タメを作って味方を使うことも得意にしています。
そのプレースタイルがサイドライン付近を使いたい酒井宏樹選手とのプレースタイルにピッタリとハマります。
酒井宏樹選手が最も活きるパターンとしては、久保建英選手や堂安選手が空けたスペースに、長い距離を走ってそのまま高速クロス、というのがベストでしょう。
日本代表では、この組み合わせをぜひ見せてほしいですね。
東京オリンピックでも話題になりましたが、酒井宏樹選手は若手のお手本になっています。
なぜなら、何年にもわたってヨーロッパでサイドバックとして、高いレベルで戦ってきたからです。
左サイドバックを務めた中山雄太選手は、あるインタビューで、酒井宏樹選手を「基準」とし、それを超えたいと述べていました。
これは酒井宏樹選手が、身近な手本としての役割を担っている証拠です。
また、相馬勇紀選手は酒井宏樹選手との1対1のトレーニングでアドバイスをもらい、実際にそれを活かしてメキシコ戦で決勝点となるきっかけを作りました。
具体的には、一歩前に抜いたら相手の懐にに潜り込め、とのことでした。
そして、そういったプレーはフランスのドリブラーなら皆がやってる、とのことでした。
確かに色々なところから、情報としてこういった話を聞くことはあるでしょうが、実際にフランスで戦う酒井宏樹選手から、直接アドバイスされると説得力が違います。
プレーでもプレー以外でも酒井宏樹選手の影響力は、若手にとっては絶大だと言えますね。
酒井宏樹選手は、日本代表でも欠かせない選手ですし、Jリーグにとってもお客を呼べる貴重な選手です。
ベテランの域に入ってきますが、Jリーグに復帰したことにより、様々な刺激や影響を受けてさらに成長する可能性も高いと思います。
酒井宏樹選手の今後にますます期待しましょう。
